特定口座で売却損を2026年分に入れるには、受渡日が2026年12月30日(水)までに来る売却でなければなりません。国内株の普通取引なら12月28日(月)の約定が最後ですが、投資信託と米国株は約定から受渡までの日数が違います。そのため、同じ12月28日に注文しても受渡日が2027年1月4日(月)以降になり、翌年分に回ることがあります。

この記事の結論
  • 結論:締切は商品ごとに違うので、「株は28日まで」という目安を投信や米国株にそのまま当てはめないでください。
  • 理由:特定口座の損益は受渡日で計算され、投信はファンドごとに、米国株は現地と国内の営業日の違いによって、受渡日が後ろにずれます。
  • 確認点:注文確認画面の「受渡予定日」が2026年中になっているかを、発注前に必ず見てください。

対象の範囲と、3つの日付の違い

この記事で扱うのは課税口座(主に源泉徴収ありの特定口座)での売却です。NISA口座で出た損失は、ほかの利益と通算することも、翌年以後に繰り越すこともできません(国税庁タックスアンサーNo.1474の注3、令和8年4月1日現在法令等)。NISAで含み損を確定させても、税金は戻りません。

日付意味
注文日自分が証券会社に売り注文を出した日
約定日売買が成立し、売却価格が決まった日
受渡日代金と証券を実際にやり取りする日

SMBC日興証券は特定口座の案内で、「特定口座での譲渡損益計算や税額計算の基準日は受渡日」と明記しています。どの年の損益になるかを左右するのは受渡日です。

商品別:2026年分に入る売却の目安

商品日数の数え方2026年分に入る目安確認先
国内株(普通取引)約定日の2営業日後に受渡(T+2)12月28日(月)約定・12月30日(水)受渡JPXの決済制度・休業日一覧
投資信託申込受付日から数えた営業日数がファンドごとに違うファンドによって違う目論見書・ファンド詳細の「受渡日」
米国株現地約定日→国内約定日→国内受渡日現地の約定日で数日前倒しになる各社の年末年始の案内

国内株の普通取引

JPXによると、東証の普通取引の受渡しは約定日の2営業日後に行われます。JPXの休業日一覧(2026年2月6日更新)では、2026年12月31日(木)と2027年1月1日〜3日が休業日です。このため、12月28日(月)に約定すれば受渡日は12月30日(水)になります。29日(火)に約定すると、受渡日は2027年1月4日(月)です。

単元未満株は、注文から約定までの扱いが証券会社ごとに違います。普通取引の締切と同じだと考えず、各社の年末の案内で確かめてください。

投資信託

投資信託は「申込受付日→約定日→受渡日」の順に進みます。受渡日までの日数はファンドごとに違います。楽天証券は、個別ファンド画面の「詳細・目論見書」ページにある「受渡日」欄に受渡しまでの日数が書いてあると案内しています(2025年10月17日掲載の案内)。目論見書では、換金代金の支払開始日の項目を見てください。

楽天証券は2026年10月1日付でも年末年始に向けた案内を出しています。ただし、NISAの買付の期限表は、課税口座で売却したときに2026年分になるかの答えではありません。売却の扱いは、ファンドごとの受渡日と各社の売却に関する案内で別に確かめてください。

海外の資産に投資するファンドには、海外の休場日に合わせた「ファンドの休日」があります。休日に出した注文は翌営業日の受付として扱われます。

ファンド詳細の画面では、次の4つを見ます。

  • 換金の申込締切時刻(これを過ぎた注文は翌営業日の受付になります)
  • 受渡日の日数と、どの日から数えるか(申込受付日からか、約定日からか)
  • 申込を受け付けない日(ファンドの休日)
  • 注文確認画面に出る「受渡予定日」

仮に「申込受付日から5営業日目に受渡」と書かれたファンドで数えてみます。12月24日(木)の締切時刻までに受け付けられれば、受渡日は12月30日(水)で2026年分です。ところが12月25日がファンドの休日だとすると、その日の注文は28日(月)の受付扱いになり、受渡日は2027年1月5日(火)まで後ろにずれます。24日でも締切時刻を過ぎれば同じことが起こりえます。

米国株

松井証券のFAQでは、国内約定日は「現地約定日の翌国内営業日」、国内受渡日は「国内約定日+2営業日」としています。この数え方を2026年の暦に当てはめると、次のようになります。

  • 現地12月24日(木)約定 → 国内約定日12月25日(金) → 国内受渡日12月29日(火)
  • 現地12月28日(月)約定 → 国内約定日12月29日(火) → 国内受渡日2027年1月4日(月)

ここでの「現地約定日」は米国の日付です。米国の取引時間は日本時間の夜から翌朝にかかるため、日本時間の日付とは1日ずれることがあります。たとえば現地12月24日の取引は、日本時間では24日の夜から25日の朝にかけて行われます。日本時間の日付で数えると、締切を1日遅く見積もってしまいます。

時間外取引(プレ・マーケットやアフター・マーケット)の約定日の扱いは、通常取引とは別に各社の案内で確かめてください。米国の休場日や各社の数え方によっても日付は変わります。

2025年末には、SMBC日興証券が2025年12月15日に米国株の年末年始の取引について案内を出しました。2026年分の米国株の売却期限について、各社の案内は執筆時点(2026年10月29日)では確認できていません。上の日付は未確定の計算例としてお読みください。

自分の注文が2026年分か確かめる手順

  1. 発注前:注文確認画面で「受渡予定日」の欄を見ます。2026年12月30日以前の日付なら2026年分です。
  2. 投信の場合:発注前にファンド詳細の換金の申込締切時刻、「受渡日」の日数と数え始める日、ファンドの休日カレンダーを確かめます。12月はなるべく余裕を持って注文してください。
  3. 米国株の場合:現地の日付で数えます。時間外取引を使うなら、約定日の扱いを各社の案内で確かめます。
  4. 約定後:取引報告書(電子交付を含む)の受渡日を確かめます。予定日とずれていないかをここで確認します。
  5. 受渡日が2027年なら:その売却損は2027年分です。2026年の利益や配当とは通算されません。
  6. 翌年1月:特定口座年間取引報告書で、売却が2026年分として載っているかを確かめます。

還付はいつ戻るか:2つに分けて考える

通算の組み合わせ戻る時期手続き
同じ源泉徴収ありの特定口座内の売却益と売却損売却のつど(受渡日に精算)不要
同じ口座で受け入れた配当等と売却損(自動通算)証券会社によって年末または翌年初め不要(受入れの条件あり)
口座の外で受け取った配当や、別の証券会社の口座・一般口座との通算確定申告の後確定申告
使い切れない損失の繰越翌年以後3年間の利益から控除毎年の確定申告

東海東京証券は、損失が出た場合は「その年の譲渡所得からの源泉徴収税額を限度に」そのつど還付すると説明しています。その年にまだ利益で税金を引かれていなければ、売却した時点では何も戻りません。

配当との通算は「自動」と「確定申告」の2通り

自動で通算される場合:配当等を、損失が出たのと同じ源泉徴収ありの特定口座で受け入れていることが条件です。国内の上場株式の配当は、受取方法が「株式数比例配分方式」になっていないと証券口座で受け入れられません。郵便局や銀行で受け取る方式のままだと、自動の通算には入りません。発注前に受取方法の設定も見ておいてください。

条件を満たし、その年に通算できる配当等と源泉徴収税額があれば、年間の損失と通算した分の税金が戻ります。戻る時期は証券会社によって違います。大和証券は年末に計算して翌年1月初旬に還付すると案内しています。マネックス証券は、原則として12月の最終営業日の翌日に入金するとしています。使っている証券会社の案内で時期を確かめてください。

確定申告で通算する場合:口座の外で受け取った配当や、ほかの証券会社の口座の配当と通算するには確定申告が必要です。このとき、配当は申告分離課税を選んで申告します。課税方式の選び方は配当の課税方式は所得税と住民税で揃えるで解説しています。事業の赤字とは通算できない点は、個人事業の赤字と株式の売却損を参照してください。

確定申告での約定日基準に注意

国税庁の通達(措置法通達37の10・37の11共-1)は、収入の時期を原則として株式等の引渡しの日とし、納税者が選べば契約の効力が生じた日(約定日)で申告してもよいとしています。ただし、特定口座の計算は受渡日で行われます。確定申告で一部の取引だけ約定日を基準にすると、年間取引報告書の金額と合わなくなります。投資信託の解約はこの通達で別の区分になっています。基準を変えたい場合は、税務署に相談してから決めてください。

使い切れない損失は繰り越す

通算しきれない損失は、確定申告をすれば翌年以後3年間繰り越せます(No.1474)。売買がない年も申告を続ける必要があります。手順は株の売買がない年の損失繰越申告にまとめています。

まとめ:12月に入ったら確認する順番

  • 12月上旬:使っている証券会社の「年末年始のお取引」の案内で、2026年の商品別の締切を確かめる
  • 投信を売る前:ファンド詳細の「受渡日」とファンドの休日を確かめる
  • 発注時:注文確認画面の「受渡予定日」が2026年12月30日以前かを確かめる
  • 約定後:取引報告書の受渡日を見て、2027年になっていないかを確かめる
  • 年末〜2027年1月:配当との自動通算の還付を確かめる(入金は証券会社によって年末または翌年初め)
  • 2027年1月:年間取引報告書の記載を確かめる。他社の口座と通算する場合や損失を繰り越す場合は、確定申告の準備に入る

本記事は情報提供を目的としており、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任で行ってください。

出典

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本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の金融商品の売買を推奨するものではありません。記載内容は執筆時点の情報に基づいており、正確性・完全性を保証するものではありません。投資に関する最終的な決定は、ご自身の判断と責任において行ってください。

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